従業員の希望を知ることは、人材不足の解決につながる。 

多くのフィットネスクラブが痛感しているように、新型コロナウイルスは労働環境に衝撃を与え、あらゆるキャリアの人々が自分の人生や仕事に何を求めるかを考え直すきっかけとなった。その結果、多くの労働者がクラブを辞め、自分が求める生活を送るため、雇用者側へと移行するという現象がみられた。いまや報酬だけでは、人材を確保し続けることは難しくなっている。

何が人材の大移動を引き起こしているのか?

パンデミック以前に比べて、労働人口が減少しているのは、さまざまな理由が考えられる。

ひとつは、米国の人口の年齢層別割合など、人口動態が大きく変化していることである。例えば、多くのベビーブーム世代が、パンデミックによって早めの定年退職を迎えたり、子どもや高齢者など、家族の世話が負担になることによる退職が多い。しかし、これらは労働者が減少している理由のほんの一部でしかない。

コロナ禍で、従業員はより良い環境を求めて、積極的に行動を起こしている。では、より良い職場環境とは何か。例えば、以下のようなものが挙げられる。

従業員は、職場環境を考えるうえで、これらを単に努力すべき美徳としてではなく、必要条件として見るようになってきている。

自分のビジネスに与える影響は?

従業員のマインドチェンジによる影響はとても大きく、新しい人材の獲得や、既存の人材の維持が難しくなっている。

フィットネスクラブも同様で、人手不足により、現場スタッフから本社の事務職に至るまで、業界のあらゆる分野で募集が増えている状況だ。

運動器機メーカーは、生産に携わる人の減少により供給不足に悩まされ、サービスや製品は縮小しているにもかかわらず、利益維持のため、価格が高騰している。

人手不足を解消するために、企業が実施できる4つのポイント

1 より健康的な職場環境を実現する

これは大きな壁ではあるが、問題を解決するためのチャンスと考えることが大切だ。
従業員の仕事に対する考え方は、経営者が追いついていけないほど急速に変化している。企業が競合他社に先駆けて、従業員から「働きたい」「働き続けたい」と思われる組織になるためのチャンスとして捉えなければならない。

フィットネス業界は、「どうすれば従業員に