Fitness Business 編集部アンケート集計結果(2023年3月)

以前、Fitness Businessで、FIAによりマスク着用義務が一部緩和されるというガイドラインの変更があったことを伝えた(※参照:『ジム内でのマスク着用義務を一部緩和』)。コロナは収束に向かいつつあり、政府は今後、マスクの着用を個人の判断に委ねるとし、コロナの分類を5類に引き下げる方針も発表している。

そこで、今後のフィットネスクラブの運営において、各社がどのような対応を取る予定であるのか、Fitness Business編集部が、独自にアンケートを集計した。方針策定の一助となれば幸いである。

アンケート回答企業の属性および合計社数

2023年2月14日~3月3日までをアンケート回答期間とし、重複回答を除いて86社から回答が集まった。

図1の円グラフのように、4カテゴリの施設属性に分類した。

図1 フィットネス施設カテゴリ(回答数= 86)

回答数が多かった属性順に、総合型フィットネスクラブ、パーソナル・セミパーソナルジム、ストレングスジム(24時間ジム含む)、その他、という順番になっている。

その他のフィットネス施設として含まれるのは、以下の通りである。
・メディカルフィットネス
・公共スポーツ施設(自治体施設、学校の体育館など)
・整骨院・整体院
・ヨガ・ピラティススタジオ
・サーキットトレーニングジム
・格闘技ジム
・スポーツスクール(テニス、ゴルフ、体操など)
・スイミングスクール
・ジムスタ型
・コンセプト型スタジオ(マインドフルネス、ストレッチなど)
・クロスフィットジム
※メディカルフィットネスが4票、公共スポーツ施設が3票、その他は2~1票。

マスクの着用義務は大幅な緩和傾向に

「運動エリアでのマスクの着用方針について」は、図2のような集計結果となった。全エリアでの着用義務を継続するフィットネスクラブはわずか6%で、時期や程度の差はあれど、裏を返せば94%ものフィットネスクラブがマスクの着用方針を緩和する方針を示した。

図2 マスクの着用方針(検討中も含む)

すでに、一部及び全エリアでマスクを任意としているクラブが、42%を占め、続いて、「マスク着用を個人判断に委ねる方針(3月13日)」をもとに任意に切り替えると回答したクラブが39%と言う結果となった。「コロナの5類分類への引き下げ(5月8日)」を待たず、およそ8割のクラブがマスクの着用を緩和する結果となった。コロナが5類に引き下げとなる5月8日以降では、実に94%がマスク着用を緩和する方針を示している。

全運動エリアにおける、任意でのマスク着用に注目すると、3月13日の個人に委ねる方針以前では29%、以降では55%、5類に引き下げ以降は63%と、6割以上のクラブにおいて、マスクの着用義務が無くなる。いよいよ、息苦しさを感じながらのトレーニングともお別れできる利用者が増えることだろう。

マスクなしでの会話も復調も、一部では制限を残すクラブも

「施設内でのマスクなしでの会話の方針について」は、図3のような集計結果となった。マスクなしでの会話についても、着用義務と同様、復調の傾向が見られている。「コロナの5類分類への引き下げ(5月8日)」以降では、8割のクラブがマスクなしでの会話を認める予定だ。

図3 施設内でのマスク着用なしでの会話の方針(検討中も含む)

とはいえ、一部のクラブでは慎重な姿勢を示している。前述のとおり、マスクの着用義務を残しているクラブは全体の6%であったのに対し、会話については、20%が5類への引き下げ以降も禁止する方針だ。全体的に緩和の傾向ではあるが、やはり飛沫での感染リスクとなる会話については、様子を見るといったクラブもあるようだ。

検温も廃止が7割

「施設内で検温の方針について」は、図4のような集計結果となった。「コロナの5類分類への引き下げ(5月8日)」以降では、7割のクラブが検温も廃止する予定だ。

図4 施設内での検温の方針(検討中も含む)

マスクに加え、検温についても廃止していくクラブが多い傾向にある。ただし、およそ3割のクラブは、引き続き検温を実施していく方針である。検温に関する方針としては、置き型の検温設備を整えているかいないかによっても対応が異なると考えられる。

半数以上のクラブで消毒は継続

「施設内で消毒の方針について」は、図5のような集計結果となった。マスクの着用義務、マスクなしの会話、検温では、緩和するクラブの方が多い傾向であったが、消毒に関しては、57%のクラブでが継続して行っていく方針を示しており、半数以上を占める結果となった。

図5 施設内での消毒の方針(検討中も含む)

消毒を継続していくクラブが半数以上ながらも、「マスク着用を個人判断に委ねる方針(3月13日)」では10%、「コロナの5類分類への引き下げ(5月8日)」では19%と、段階的に消毒を廃止するクラブは増えていく傾向である。消毒自体は施設の清潔感の維持にもつながるため、そういった点も踏まえて継続、もしくは様子見といったクラブもあるのではないだろうか?

しかし、過度な消毒の実施は、スタッフや利用者の負担にもなるため、一切しないということはなくても、ある程度の線引きを行うクラブも増えてくるだろう。今後のさらなる動向に注目したい。

約3年続いたコロナ禍も、収束が見えてきたと言っても過言ではないだろう。

フィットネスクラブに従事する方、利用する方のすべてが、快適にフィットネスライフを送ることができるよう、フィットネスクラブ各社にはこちらのアンケート結果を参考にしていただければと思う。SNS等を活用し、ぜひシェアもしていただきたい。