三井住友海上火災保険株式会社ビジネスデザイン部が、ヘルスケアテクノロジーズ社が開発したヘルスケアアプリ「HELPO(へルポ)」を2023年4月より提供開始。ヘルスケアサービスを担当するアライアンス第一チームシニアマネージャー竹尾賢二氏に、HELPO事業と、フィットネス業界における今後のDXサービスについて聞いた。

竹尾賢二氏
三井住友海上火災保険株式会社
アライアンス第一チーム
シニアマネージャー

 

補償前後のソリューションにヘルスケアアプリを活用

三井住友海上火災保険株式会社では、損害保険の提供価値の変革に向けたイノベーション策を2021年より講じてきたが、その一つとして、事故発生の前の予防、事故発生後の回復等を支援するサービス「補償前後のソリューション」を2023年4月より、同社ビジネスデザイン部が商品開発し提供を開始している。

HELPOのユーザー画面

提供分野は「地域環境との共生」「革新的テクノロジー」「強靭性・回復力」「包摂的社会」等と多岐に渡るが、このなかの「包括的社会」で、ヘルスケアアプリ「HELPO」と健康経営支援メニューを投入している。

「HELPO」は、ヘルスケアテクノロジーズ社が開発したもので、健康医療相談チャット、オンライン診療の2つが主要機能として備わるヘルスケアアプリ。労災・GLTD保険に加えて、アプリの導入で従業員の健康支援を行い企業の経営を支援していく。そのほかの健康経営支援メニューとして、従業員のストレスチェックシステムや、健康をテーマとした研修動画・視聴用ポータルサイトを定額にて提供する「いきいきラーニング」の2つのサービスを提供する。

これらのソリューションメニューで、企業の健康経営のサポートを行うとともに、保険商品の価値変革、販売代理店の新商品・販促機会の拡大も進めていく。

デジタル+リアルの組み合わせがヘルスケアサービスの主軸へ

ヘルスケアサービスのキーとなるのがデジタルテクノロジーである。

フィットネスクラブ施設事業も、会員の運動効果の可視化、リモート指導、オンラインクラス、安全管理、業務効率UP・省人化などからもDXをより活用していくことが求められるところである。同社ヘルスケア担当竹尾賢二氏によれば、「デジタルテクノロジーをいかにリアルと組み合わせて顧客に価値提供していくかが最も大事なのではないか」と話す。

竹尾氏が近年見てきたヘルスケア分野のDXでは、健康管理系アプリ「フィットマップ」、パーソナルジム向けの集客系DX「ストックサン」等は利用が拡大、大手フィットネスクラブでもティップネスの「トルチャ」、オアシスの「WEBGYM」等は多様な機能とサービス面を持ち、会員の利便性や運動サポートがあることを認めるところという。

併せて、株式会社Sportipのトレーナー向けのAI動作解析アプリや、ヨクト株式会社のIoTマットyoctoMat®️(ベータ版)は、重圧センサーやAI解析と専用のアプリ連携、「ミラーフィット」も最先端テクノロジーが搭載されている。しかし、オンラインだけで完

 

結されておらず、リアルな運動との組み合わせによるもの。

セルフトレーニングジムも増えているが、近年の注目施設を見ると、テキサス州の「LUMINフィットネス」は、リアルな運動は、すべてAIトレーナー、バーチャルコーチがトレーニングをサポートしている。こんな時代になるのではないかという。リアルの場を持つフィットネス施設のDX化には大きな可能性があると言える。
テクノロジー+リアルの体験価値が一般化され、今後より重要性を増していくのではないか。今後DXが進む分野として注目しているのは地方創生に関する部分。フィットネス業界もDXが進むことで、地方との連携も新たな道筋ができビジネスの広がりも可能とするのではないかと思っている。