日本のフィットネス参加率は欧米の1/3〜1/2。しかし、日本でも「健康は大事」と思う人は増え続けている。このギャップの中にこそ最大の市場機会がある。にもかかわらず、既存事業者からその層に向けた新業態がなかなか生まれない。プラネットフィットネス元CEOの発言を手がかりに、日本の業界が抱える構造的課題を考えたい。
◆「大事だと思う」のに「やらない」_このギャップにこそ、
機会がある
日本のフィットネス参加率は、この間に伸びてきたとはいえ、依然として欧米と比べると1/3〜1/2の水準にとどまっています。
一方で、「運動などにより健康でいることは大事だと思う」と答える人は、年々多くなってきています。
このギャップの中にこそ、最大の市場機会はあるのではないでしょうか?
にもかかわらず、既存の多くのフィットネス事業者から、「運動などにより健康でいることは大事だと思う」けれど、実際にはそれを習慣化できていない層に向けた新しい業態・サービスがなかなか生まれてこないのも、実態ではないでしょうか。
むしろそうした新しい業態・サービスは、既存の事業者ではなく、新興の業界参入者のほうが多いように思います。
◆「異端」を「基準」に変えた男_プラネットフィットネス元CEOの視座
プラネットフィットネスの元CEOが、先日こんなことを語っていました。
「プラネットフィットネスを築いていた当時、私たちの焦点はシンプルだった。威圧感を取り除き、ハードルを下げ、それまでジムに居心地の悪さを感じていた人たちにフィットネスを届けること。当時、そのアプローチは業界の常識ではなかった。しかし、それは機能した。」
彼がやったことの本質は、「フィットネスは大事だと思っているけど、やりたいと思えない」人たちの側に立って、業態・サービスそのものを設計し直したことです。既存の業態・サービスを改善しただけではありません。どんな期待や課題を持った誰に届けるかを変えたことで、何を届けるかが変わり、どう届けるかが変わったのです。結果、HV/LP(High Value, Low Price)という業態が整えられ、数千万人という新規参加者が誕生し、一大マーケットができました。
彼はその後、ブラジル最大のジムフランチャイズである「パノビアンコ」にも戦略アドバイザーとして参画し、同じ思想をメキシコなどラテンアメリカにまで広げようとしています。