長年、フィットネス業界において、施設デザインから集客までハード面・ソフト面で幅広い経験をもつ中村良明氏による連載。中村氏が考えるデザインに影響を与える要素のなかから「曲線」をテーマとして取り上げ、曲線による効果やアイレクスにおける曲線を取り入れたデザイン事例を紹介する。
アイレクススポーツライフ株式会社
デザイン&コンサルティング チーフディレクター
今号のテーマは「曲線」
さて、今回は空間プロデュースにおいてデザインに影響を与える要素として「形」について記します。 本連載の「空間プロデュースにおけるライティングの活用」において形については、「フォルム・ラインなどの要素があり、平面と曲面・直線と曲線・ディテールなどをどう使っていくか」ということをお伝えしましたが、特に今号では「曲線」を取りあげたいと思います。
空間プロデュースにおけるゾーニング
まず、フィットネス空間をプロデュースする際、デザイン以前に行うゾーニングの基本手順について触れます。
さて、ここでお伝えしたいのは、この手順を行うときに起こりやすい現象についてです。空間にできるだけ多くの機能を効率的に盛り込もうとすると、空間を直線的に区切ることになり、アイテム別の必要面積をパズルのように当てはめていくことになります。このままで進めてしまうと、空間がどうしても窮屈な印象になってしまいます。
これに対する施策としては、まず空間の広さにメリハリをもたせることです。重点施設アイテムは将来対応も含め余裕をもたせた広さとし、そうでない施設アイテムについては究極の効率性を求め、最小限の広さにする考え方です。
それから空間の間仕切りは、直線が確かに基本なのですが、曲線も取り入れると変化をつくれます。直線だけの間仕切りだと無機質で冷たい印象になりますが、曲線を部分的に取り入れることでその空間が有機的で暖かな印象になります。
空間プロデュースにおいて、「曲線」は必ず取り入れておきたい重要ポイントの1つです。
曲線のメリット・デメリット
曲線を取り入