初心者90%超えでも継続率90%、体験者入会率90%以上、システム導入で快適な運営を実現

大阪市の肥後橋・中之島に完全個室パーソナルジム1箇所、そのすぐ近く肥後橋・本町と阿波座の2箇所にセミパーソナルジムを、「LAULE'A」のブランド名で展開する古橋周治氏。「健康を楽しく気楽に手に入れよう!」をコンセプトに、3店舗で300⼈弱(累計⼊会者は500⼈弱)の会員に対して、運動指導する日々を送っている。健康の重要性を伝えたいというミッションを掲げる古橋氏の成長の秘訣を訊いた。

  • LAULE'A
    代表
    古橋周治氏

30分間のトレーニングで初心者の運動意欲を促進

古橋氏は、総合クラブで4年間勤務した後、他業種に転職したが、顧客と接し運動指導した時と同じやりがいを感じるには至らず、再びフィットネス業界に戻る決意をした。総合クラブ在籍時にボディメイクコンテスト挑戦のためトレーニングを実践した経験から、パーソナルトレーナーとして独立・起業する目標を定めていく。

その後、ジム勤務中に出会った現在の妻、ボディメイクコンテスト参加経験豊富な古橋彩花氏とともに、2021年8月に完全個室パーソナルジム「LAULE'A」を開業する。このジムは、これまで2人が経験してきた本格的なボディメイク志向のジムではなく、「運動が苦手」「トレーニングしてみたいけど自信がない」と感じる初心者を主なターゲットにした。

古橋周治氏は「健康であることの幸福さにフォーカスし、運動を長く続け、ライフスタイルにできるジムを目指した」。「健康」に対するこの考え方は古橋氏の経験にも基づいている。生まれつき障害を持つ姉とそれを支える両親を見て育ったため、健康の尊さと大切さを誰よりも実感してきた。この信念が「LAULE'A」の設立に反映されており、店名はハワイ語で「幸福」を意味する言葉に由来し、古橋氏の想いが込められている。その想いが反映され、現在は会員の93%が初心者なのだが、どのように実現したのか。

ポイントとなったのが、「初心者でも30分間なら運動してみようと思えるはず」という考えから、トレーニング時間を60分間のほか、30分間のセッションも設けたことだ。これにより運動へのハードルを下げ、会員数は100人を超えるに至った。

また、会員に継続してもらうため、コミュニケーションでは運動の成果を伝えることに重点を置いているという。「セッションごとに写真を撮り、身体の変化を視覚的に、確認、実感してもらう。続けていけば必ず身体が変わることを、毎回言葉でも伝えている」。実際に入会後の継続率は90%と、他パーソナルジムと比較しても高い水準を維持している。

パーソナルジムでの成功をもとに、より多くの初心者を呼び込むために、2022年8月に少人数制グループセッションを提供するセミパーソナルジムを開業した。「クロスフィットを参考にしながら独自プログラムを開発した。もっと楽しく気軽に運動ができ、仲間も作れるグループセッションは近隣の会社員を中心に好評であり、現会員数は100人弱、累計⼊会者は150人を越えた」という。

「hacomono」で体験を有料化、
意欲ある体験希望者を集め入会率98%を達成

店舗運営は古橋夫妻のほか、4人のトレーナーがいる。古橋夫妻の⼈気もあるが、スタッフに会いに来る会員も多く、会員数からみても全員がフル回転で指導に当たっていることが伺える。事業化から3年が経過し、セッションの提供や店舗経営をしながら、新規事業への参入も果たす原動力の背景に何があるのか。顧客管理、会員予約受付などを、会員管理システム『hacomono』が賄ってくれている。2号店開業前に導入したが、『hacomono』がなかったら店舗の運営は回らない。「スタッフ1人分の人員を削減できているのに等しい価値があると思っている。特に予約面での効果が大きい」と言う。

パーソナルジムの会員獲得には体験は必須であるが、最も困るのが体験のキャンセルだという。

「以前は体験は無料で提供してきたが無断での当日キャンセルが多く、スタッフを配置して来店を待っているので大きな損失だった。そこで、『hacomono』導入時に、体験は2,200円として事前決済するフローに変更し、実際に来店してくれた方にはキャッシュバックする形をとったところ、無断キャンセルがなくなった。事前決済やキャッシュバックの実現は、まさに『hacomono』のおかげ。有料化にすることで意欲の高い方が来てくれることも要因となり、体験者=入会という構図が成立し効率性が向上した」という。実際に、2024年5月に開業したセミパーソナルジム2号店(女性専用)阿波座店では、開業初月75人の体験者のうち74人が即入会し、事前決済のフローとした成果が歴然となったという。3店舗全体でみても体験者入会率90%になっている。

古橋氏は、次の戦略を画策中だ。「セミパーソナルジム事業を直営とFCで展開したい。初心者の運動参加の促進をスピーディーに成し遂げたい」。次の目標に向かって動きだしていた。