近年、医療費は増加の一途を辿っているなかで、医学的要素を取り入れた運動療法である「メディカルフィットネス」が注目されている。フィットネスをヘルスケアの観点からアプローチしている取り組みをまとめた。

ますます拡大するメディカルフィットネスの現状について

2021年11月24日から26日の3日間、東京ビッグサイト西展示棟にて「次世代ヘルスケアプロジェクト2021」が開催された。そのなかで、日本メディカルフィットネス研究会の副会長を務める藤本浩也氏により、メディカルフィットネスの全体像を捉える内容の講演が行われた。本記事はそのセミナーの内容の抄録である。メディカルフィットネスの拡大傾向にある現状や、運営に必要な要素が整理されている。民間フィットネスクラブのなかでも、同領域のサービス提供で他社との差別化を図るところが現れているため、流れに取り残されないためにも、まずは基本的なところから押さえておこう。

 SPINE CONDITIONING STATION、医学専門家が監修する、腰専門のコンディショニングスタジオ

株式会社エスジーティー(以下、エスジーティー)は2021年10月1日にSPINE CONDITIONING STATION( 以下、SCS)をオープン。エスジーティーは、医療機器メーカーである日本シグマックス株式会社(以下、日本シグマックス)の関連会社で、同グループとして医療機器の販売以外の領域で新規事業の立ち上げを模索していた。そして、約2年の準備期間を経て、「腰痛難民の終着地点」を目指して店舗を構えるに至った。腰痛に特化するという独自のポジショニングを築いたメディカルフィットネスの取り組みに迫る。

 ヘルスケアプラットフォームアプリ「MEon」、日々の健康管理を1つのサービスで完結

株式会社アライアンス(以下、アライアンス)はドイツ製のIoTフィットネスマシン「milon」や、大手フィットネスクラブでも導入が目立つ振動マシン「SONIX」を取り扱っている。そのなかで、さらなるヘルスケアソリューションとして「MEon」アプリをローンチした。自社オリジナルのサービスとして開発したが、すでに取り扱いしているmilonとの連携が可能で、運動データを自動で取得できることに強みをもつ。今後はAPIを駆使して、多種多様の健康データを自動で取り込めるようにしていき、「ヘルスケアステーション」としてのポジションを確立していくことを目指す。その取り組みについて訊いた。

キネティコス、運動処方とプログラム管理のキネティコス・プロ・システムをリニューアル

株式会社キネティコス(以下、キネティコス)は2021年12月25日に運動処方とプログラム管理のソフトであるキネティコス・プロ・システム(以下、KPS)をリニューアル。従来のバージョンから圧倒的にユーザビリティを高めたKPS2.0として新たに誕生した。とにかくシンプルにつくり変え、トレーナーである自分たちが本当に使いたいと思うシステムにこだわり、旧KPSとはまったく別の方法でシステムをゼロからつくり直した。トレーニングを受講するクライアントのほか、リハビリ時の運動療法にも応用できる。