長年、フィットネス業界において、施設デザインから集客までハード面・ソフト面で幅広い経験をもつ中村良明氏による連載。中村氏が考える最重要ポイントの1つである「外観デザイン」をテーマとして取り上げ、集客に導くポイントなどを解説すると共に、アイレクスにおけるデザイン事例を紹介する。
アイレクススポーツライフ株式会社
デザイン&コンサルティング チーフディレクター
今号のテーマは「外観デザイン」
さて、今回は、空間プロデュースにおけるデザイン要素の中で「外観デザイン」について取り上げます。
まず、当たり前のことではありますが、外観デザインは人に例えるなら、顔や体型にあたります。リアルな顧客接点においては、それが第一印象になります。そこで好印象を得られるか否かで、その後の展開に大きな差となって現れてきます。
なお、「リアルな顧客接点において」と前置きしたのは、近年においてはデジタルな顧客接点が第一印象となっている例がむしろ多いということも鑑みてのことです。この連載の中ではリアルな顧客接点を前提にお伝えしていきたいと思います。
フィットネス施設における外観とは
通りすがりの浮動客を対象とした飲食店などのビジネスと比べれば、会員制ビジネスであるフィットネスクラブは、あの手この手で次のチャンスをうかがえるビジネスなので、外観が命運を分けるとまでは言い切れません。しかし第一印象としての外観の良し悪しは、スタートラインのハンディキャップになり得ることは確かであると私は考えています。
さて、次に外観に関連して伝えたいことは、クラブの認知経路についてです。入会手続きの際、ほとんどのクラブがアンケートを行っていますが、その質問の中で「当クラブをどのようにお知りになりましたか?」という項目が、ほぼ入っています。
「折込みみチラシを見て」、「インターネットを見て」、「知人の紹介で」などが上位ではありますが、根強く安定的に「建物・看板を見て」という回答がなされる傾向にあります。この比率は業態によって変わりますが、私が過去にフィットネス業界の皆さまにお話しを伺った際、「意外に多い」という反応が多かったのは確かです。
外観デザインから集客に導くポイント
外観デザインから集客に導