長年、フィットネス業界において、施設デザインから集客までハード面・ソフト面で幅広い経験をもつ中村良明氏による連載。中村氏が考える最重要ポイントの1つである「グラフィック」をテーマとして取り上げ、アイレクスの事例を紹介するとともに、現場で空間づくりを担う読者へのヒントを授かった。
アイレクススポーツライフ株式会社
デザイン&コンサルティング チーフディレクター
今号のテーマは「グラフィック」
さて、今号では空間プロデュースにおけるデザイン要素の中で「グラフィック」について取り上げます。
ここでいうグラフィックとは、「空間プロデュースで使われる写真やイラスト、図や記号などを用いた視覚表現」ということで紹介していきます。
グラフィックは、空間プロデュースの最終段階である仕上げのタイミングで、外部看板や館内サインに加え壁面演出や装飾などで用いられます。また、過去もお伝えしてきた「集客できるデザイン」という観点からすると、最も直結したカテゴリーということが言えるかもしれません。グラフィックは、空間プロデュースにおけるデザイン要素の中でも、お客さまに対して直接的なメッセージを伝え得る最も有効な要素であると私は考えています。また逆にデザイン上のインパクトがあるだけに、そぐわないものを入れてしまうと空間全体のバランスを崩しかねない要素になります。
グラフィックデザインは一般的な設計・デザインの領域を超えている部分もあるので、フィットネスを理解し、広告・販促にも精通した総合的な能力を持ったパートナーと進めることが望ましい選択だと思います。
コロナ対策でグラフィックを活かす
コロナ対応のガイドラインは、マスク着用ルール等も含め、この原稿校了以降も変化していることと思います。
そこでちょっとした提言ですが、私の中で、もうしばらくは引き続き行っていくと思われる各所のパーテーション対応について、グラフィックを活用すると新たな空間デザインが生まれるように思います。
海外ではパーテーションをバナーに見立てデザインしているクラブもあるようです。イラストや環境画像に加え、健康メッセージ、プログラムPRなどをグラフィック化すれば、新たな価値を見出すことが可能な気がします。
もちろん空間毎に相応しいものを適度なレ