フィットネスクラブを運営する事業者にとって、永遠のテーマとも言えるのが、いかにして会員もしくはビジターに施設へ足を運んでもらうかということだろう。ライフスタイルや行動の変化が目まぐるしい昨今の世の中で、顧客の心を掴むためには、どうすればよいのだろうか?

パーソナルジム×食事指導で、サービスの質を高める
REAL WORKOUT

 

REAL WORKOUTは、2023年4月に国内100店舗出店を達成し、現在は海外への出店も進めている。今後の国内戦略としては店舗数の増加よりもサービスの質の向上に軸足を置いていく。そのなかで、身体を構成する最も大切な要素の1つである「食事」にフォーカスし、株式会社Nwithが提供する管理栄養士プラットフォームを活用した食事指導サービスを全店に導入。関わるすべての人が満たされる仕組みとなっており、フィットネス業界への浸透に時間は掛からなそうだ。

DX で初来店への心理的な障壁を徹底的に削除
顧客心理を追求し運営フローを改善、見学予約数を2.2倍に

 

株式会社ワールドプラスは24時間ジムのワールドプラスジムを中心に3業態のフィットネスブランドを合計150店舗展開している。設立は2017年と若く、その成長速度は著しい。2022年より、ヘルスケア領域のDXやマーケティングに精通する上口泰正氏が新代表に就任。翌2023年1月に導入を決めたのが、ウェルネス/運動施設向けのオールインワン・マネジメントシステム『hacomono』である。新規顧客獲得や地方店舗の人材戦略に貢献している。

継続率の向上を、世界9,000クラブで実現する要因とは Myzone

 

世界92カ国、9,000クラブ、200万人以上のユーザーに利用されているMyzone。創始者のDave Wright氏は、フィットネスクラブのマーケティング支援コンサルタントから、フィットネスクラブ経営を経て、常にこの業界の最大の課題である会員定着を実現すべくMyzoneを開発。現在までに、世界のフィットネスクラブ経営者・運営者から支持されるだけでなく、そのユーザー継続率の高さから、健康経営や学校教育などにも広く活用されている。

運動継続を強力にサポートするウェアラブルテクノロジーMyzone開発の背景と、支持を拡げる要因について、同氏に訊いた。

顧客を獲得するオフライン集客戦略
ラクスル エンタープライズが個別最適化を実現する

 

オンラインにシフトが進むフィットネスクラブの集客だが、対象顧客によって、チラシの配布など、オフラインだからこそ高い効果を得られることもあるはずだ。「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」の企業ビジョンそのままに、これまで多数のクラブの販促業務に改善をもたらしているラクスル株式会社。本誌でも、その好事例を多数紹介してきたが、同社のエンタープライズ事業部で、マーケティングリーダーを務める千賀 亮氏は「顧客の獲得には、オフライン集客が効果的」と語る。

省人化が進む施設で直面する、新しい課題
フィットネスクラブの秩序を守るAI カメラ活用法

 

株式会社OptFitの代表取締役を務める渡邉氏は、フィットネスクラブのスタッフ数が少ない(もしくは無人)の業態が増えてきた一方で、モラルの低い利用客への注意喚起が不足してしまうという課題を抱えるケースが増えてきていると指摘する。AIカメラを活用すれば、そのような行動を、無人ジムでもいち早く特定することができる。

施設の秩序を保つことも、退会率の縮小には重要な要素と言えよう。